Loghouse Planning

ログハウスに住んでみて、プランニングについて色々思うことがあります。

ログハウスこそシンプルイズベスト

基本として、ログハウスは柱がなく、壁(ログウォール)とログの交差部(ノッチ)が構造の強度を担保しています。
いろいろなログハウスメーカーの間取りを見てみても、田の字や日の字を基本にして、組み合わせによる多少のバリエーションがあるだけです。
それゆえ、軸組工法やパネル工法で必ずある「廊下」が出来にくいです。
廊下を作ろうとすると、単純な田の字や日の字からどんどん離れていきます。
私はログハウスに住んでみて、シンプルな田の字のログウォールを基本にした間取りが、構造的にも(セトリングの方位差があっても)最も安定していて、無駄なスペースがなく、結果コンパクトな暮らしが出来ると思うようになりました。
初めからログハウスを検討する場合と、在来の家から検討してログハウスにプランを変えていった場合で、間取りに対する認識に違いが出るような気がします。
私たちは後者だったので、ログハウスのプランニングで結果的に大きくしすぎてしまって、予算を圧迫してしまいました。
今思えば、もっとシンプルに考えるべきだったな、と。

建てる負担を減らしてログハウス生活を充実させる

材料が海外から輸入されるログハウスは、日本では決して安くはなく、高価な部類の住宅です。
ですから、普通の年収であれば、住宅ローンに頼らなくてはならず、ログハウス生活を楽しむためには出来るだけ負担を少なくしておくことを強くお勧めします。
そのためには、コンパクトかつシンプルな間取りを基本にすべきだと思います。
間取りに夢を乗せてしまうと、ログハウスに限れば、大方の場合後悔することになるでしょう。
その分、月々の返済の負担が重くのしかかることになるのです。
シンプルな間取りのログハウスでも、そこに住むこと自体、当面の間は非日常的で、十分楽しいです。
大きなログハウスは結果として、楽しめないログハウス生活になる可能性が高くなると思うのです。

小さくシンプルなログハウス ===> 月々の返済が少ない ===> ログハウス生活の充実

大きく複雑なログハウス ===> 月々の返済が大変 ===> 仕事に追われる ===> ログハウスには寝に帰るだけ ===> いつの間にか年月が過ぎる

庶民にとってのベストなログハウス

長く住めばログハウスも特別なものではなく、住む人にとって当たり前のものになっていきます。
住み始めはそうであっても、いつまでも別荘気分が続くわけではありません。
ログハウスは(他の家とはちょっと違う)生活のベースとなるのであって、ログハウスそのものや複雑な間取りが生活を豊かにすると思うのは一時の幻想に過ぎません。
現実の生活はもっとシビアで、人間はすぐに慣れる生き物で、だからこそログハウスをベースにして豊かな生活を送るためには、分不相応な負担を背負わないことが重要だと思うのです。

私は、シンプルでコンパクトなログハウスが、楽しいログハウス生活の基本だ、と思っています。

ログハウスのカラーリング

マシンカットログハウスのほとんどが外壁を特徴的にカラーリングします。
これはデザイン性のためであり、また同時にログ壁を保護することが目的です。
保護が目的なので、防腐、防水、耐候などの機能性塗料(水性、油性にかかわらず)が用いられます。
新築時は、当然ながら見た目にこだわり、色味を優先して選択してしまいがちです。
ですが、ログハウスは外部が全て木部ですので、定期的な再塗装を必ず行わなければなりません。
つまり5年先、10年先、20年先まで、できれば同一メーカーの(水性または油性の)同系塗料を使い続けるのが望ましいです。
だから新築時におすすめしないのは、調色によるオリジナル色を使用することです。
調色は再塗装時に同じ色を再現しづらいし、費用も割高になりがちです。
また、色は2色か3色にとどめるのがよく、もし再塗装をDIYしようと考えているなら、手間を減らし節約にもつながります。
やはりここでもシンプルイズベスト、単純なカラーリングがおすすめです。

特殊なビルトイン設備を使わない

家を建てる時、色々なビルトイン設備を導入することになります。
例えばキッチンの換気扇。
ログ壁に対して排気口を貫通するための開口を持たせなければなりません。
つまり一旦開口加工をしたら、それの開口を後から変更することはそう容易ではありません。
汎用性の高い換気扇なら、問題はありませんが、特殊な換気扇の場合、将来換気扇が壊れて交換となったとき、そのメーカーが存続しているか、存続していても代替品がラインナップしているか、怪しい場合があるのです。
多くの場合採用されるであろうユニットバスも同様で、老舗メーカーを選んでおくのが非常に無難です。
ログハウスに限ったことではありませんが、特に設置に際してログ壁に加工を要する設備は汎用性の高い、大手のメーカーのものを採用した方が将来リプレースが必要になった時、面倒なことになりにくいと思います。